八木山動物公園駅の名前が示すように、ここは駅の5階屋上が動物園に直結している。
駅名になっている八木山動物公園の沿革は
◆ 仙台市の動物園は、昭和11年に、広瀬川河畔の評定河原に全国11番目、
東北では 最初の動物園として開園したのが始まり。
東京浅草の遊園地「花やしき」が動物園を廃止した際に、その動物たちを
引き取って開園したといういわくがある。
◆ その後戦災で閉鎖、昭和20年には廃止されたが、昭和32年に三居沢に
子供動物園と して復活。その後昭和40年に現在の場所(八木山)に移り
再スタートした。
◆ 東日本大震災では、電気や水道などライフラインが寸断。暖房も絶たれた
3月の寒さの中、断水やエサ不足などの危機を乗り越え再生を果たす。
当時の様子は「天才!志村どうぶつ園」で再現ドラマ化。NHKの
ドキュメンタリー番組でも取り上げられた。
◆ 地下鉄東西線の開通に合わせ、施設の再整備が行われている。
◆ 129種、489点の動物が飼育されている ※平成27年度資料
八木山動物園は、子供が小さい頃のわが家の休日のお出かけスポットの一つだった。
個人的な気持からすると、動物園は(八木山以外の動物園はほとんど行ったことが
ないのだが)、水族館のギュッと人工的に濃縮された二枚目的なアミューズメント性
とは少し肌合いの違う、生き物的な深みとにおい、独特の雰囲気を持った空間である。
だいたい、水族館の魚は、日中は銀鱗を青い小宇宙に躍らせ続けて飽きない。
かたや天気の日の昼の動物園。
サバンナと密林の猛者も、俊足優美な草食動物も、漂う昼下がりの気だるい空気感。
土と草と動物の臭い。 ときどきあくびと… ウンチタイムも。
そこが何ともいい味出してるというか、玄人受けするシブさというか。
キラめく高揚感はなくても、同類的な親近感や哀愁もそこはかと。この何とも言えない
雰囲気は哺乳類の根っこにある感覚がそう思わせるのか。
(それはそれとして、生息地の気候条件も食性も違う野生の生物を飼育し、安全な公開
を維持していくことのシビアさもまた、想像するに難くない。)
しばらくぶりに来てみると、それぞれの動物の特長を生かした見せ方が、
昔と比べても格段に、見る側の興味や知的好奇心を喚起するようによく工夫
されていると感じる。
特にアフリカ園では、野生動物が原産地の自然に近い環境でのびのびと飼育
されていて、人気のエリア、おすすめスポットということのようである。
ゆるくて深い、動物園。
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